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長い遺言書

 数ヶ月前に、Aさんから遺言書作成の依頼がありました。Aさんは夫に先立たれ、お子さんもいらっしゃらなくて、一人暮らしでした。

 Aさんは、自分自身のそして夫側の、両家の皆様には大変お世話になったと感謝しておられました。Aさんは、ご自身が他界した後は、両家の兄弟姉妹そして甥や姪に、夫と共に築いた財産を分与したい、特に、お墓を後々守ってくれる人には、多く財産を引き継いでもらいたいと考えておられました。

 Aさんが遺産を分与したいと考えている両家の兄弟姉妹そして甥や姪は、合わせて十数人いらっしゃったのですが、両家の兄弟姉妹もご高齢であったこともあり、相続発生時のご健在の方々によって、その分け方をかえたいとのことでした。

 遺言書をその都度書きかえる事もできるとお伝えしたのですが、全て書いておきたいとのことでしたので、Aさんのご希望に添うようすすめることにしました。

 相続発生時にご健在されている方々を、いろいろな組み合わせで想定してみると、三十数通りの分割方法が考えられ、結局は、長い文面の遺言書となってしまいました。

 Aさんといっしょに公証役場に行き、公正証書遺言にしました。

 帰り際、公証人の先生が「Aさんのお気持ちを最大限に尊重して、お話を聞いてあげたということですね。それは大変でしたでしょうけど、良かったと思いますよ。」とお話しくださり、私にとっては、うれしい一言でした。



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